第4話 暗黒騎士

午前10時 バロン城内 飛空挺ドック
 
飛空挺ドックを囲む城壁には数百の兵士が集まっていた。赤い翼の出発を見送るためである。そこにはパルパレスと、あのゴルベーザの姿も見られた。

多くの兵士が見守る中、飛空挺ドックの赤い翼のプロペラが回転を始めた。次第に回転速度が上がる。それに伴い、赤い翼たるゆえんの巨大な深紅の主翼が展開。それは鷲の勇姿の様である。

今回出撃する5隻の赤い翼にはそれぞれ300人のバロン兵らが搭乗している。内訳は暗黒騎士50人、竜騎士160人、白魔道士40人。残りの50人は飛空挺の整備、食事の準備などが仕事だ。暗黒騎士と竜騎士は前線で敵を戦い、白魔道士は負傷した兵士の手当が任務だ。

あとはセシルの命令を待つのみとなった全ての飛空挺にセシルの声が響く。拡声器を通しての声だ。

「皆、心して聞いて欲しい。ガストラ帝国がその強大な軍事力を以てして、世界を制しようとして早20年が過ぎようとしている。その横暴を止めるべくバロンは立ち上がった!これは崇高なる我がバロンが、更なる力を手に入れるための第一戦である!!」

心にもない事を、よく言う・・・。

セシルは心の中で自虐的な笑みを浮かべながら思った。

こんな事が、何になろうというのか。

セシルの演説と同時に、ワッと歓声があがった。それと同時にセシルも出撃命令を下す。

「出撃っ!」

セシルの声と共に、5隻の赤い翼は離陸。エンジン音も大きく飛び去った。

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