第3話 集結

タイクーン 風の神殿最上階 クリスタルの間 前半

誰が予想出来たであろうか?タイクーンの風のクリスタルが砕け散ると・・・。

「なんて事なの・・・。」

床に散乱した風のクリスタル。レナは、ポツリとつぶやく様に言った。そしてレナには、この場に父が居ない事もショックだった。それを察したバッツは、レナを慰めようと、歩み寄ろうとした時…。

「ん・・・?これは・・・・?」

バッツは、クリスタルの破片とは明らかに違う物を自分の足下に見つけた。見るとそれは、先程レナが自分たちに見せた王家代々伝わるペンダントだった。が、石の色だけは違っていた。バッツの見つけたペンダントには青い石が埋め込まれていた。バッツは、それを手に取り、わずかな時間思考を巡らせ、一つの考えにたどり着いた。

「レナ、これは・・・。」

バッツの言葉に、レナは反応した。

「これは、お父様のペンダント。やはりここにたどり着いて・・・。」

安堵したレナだが、結局この場に王がいたであろう、と言う事だけが分かり、王本人を見付ける事には至らなかった。

突然、部屋の中央にあるクリスタルの台座がまばゆい光を放ち始めた。

「なんだ・・!!」

バッツが叫ぶ。ガラフは剣に手をかけ、レナはペンダントを握りしめる。だが、次の瞬間、光はパッとおさまり、その代わりに台座の上に人影が現れた。

「誰、だ・・・??」

バッツには分からなかった。だがレナは間違えることなくその人影を呼んだ、いや叫んだ、が適切であろう。

「お父様っ!!」

レナは叫んだ。2日前、城を出たっきり帰ってこない父の姿を、彼女は目の前に認めていた。人影は、次第にしっかりとした形をとり、タイクーン王の姿を作り出した。

「おお、レナよ・・・・。ここまで来てくれたか・・。」

タイクーン王は、自分の娘の姿を見て、安心した様に言った。それを見てレナも安心したが、すぐに形相を変えてタイクーン王に言った。

「お父様、なぜ、なぜクリスタルは砕けてしまったのですか?」

悲鳴に近いレナの言葉に、タイクーン王は首を横に振り、3人に向けて言った。

「皆、よく聞いて欲しい・・・・。クリスタルは砕けたのではなく、砕かれたのだ。」

「そんなことが・・・!」

レナはタイクーン王の言葉に絶句した。

「クリスタルを砕いたのは、暗黒魔道士・・・・。人間の欲が具現化した存在・・・。世界の均衡を維持するクリスタルを破壊し、遙か昔に封印された「無」の力で世界を包もうと目論む悪しき存在・・・。」

悲しみに満ちた声で、タイクーン王は諭す様に言った。今度はガラフがタイクーン王に質問した。

「その邪悪なる暗黒魔道士が世界を包もうとしている「無」の力とは何なのか、教えて欲しいんじゃが・・・。」

ガラフは、頭の上に疑問符を幾つも浮かべながら言った。

「やつが手に入れたがっている「無」の力とは次元の狭間の、さらに奧に葬り去られた力。世界からありとあらゆるモノを消し去る力・・・。
 「無」の力を復活させるには、この世界に存在するクリスタルを全て砕かねばならない・・・・・。」

「うぅん・・・。なるほど・・・のぅ。」

ガラフは質問する前よりも多く頭の上に疑問符を浮かべた。ガラフはバッツに話題を振る。

「バッツ、今ので分かったかの???」

「ま、まぁ・・・なんとなく。かなり何となくではあるけど・・・。どえらいことって事はよく分かったが。」

タイクーン王に質問をする3人の最後に、レナが質問した。

「お父様、どうすれば、クリスタルを守れるのですか?」

「クリスタルを守るには、クリスタルの力を借りなければならない。クリスタルは、使う者によって様々な結果を生み出す。お前達は、クリスタルを正しき事に使えるだろう・・・。その力で悪を絶ち切って・・く・れ・・・・。クリス・・タルを、た・のんだ・・ぞ。」

「お父様!」

タイクーン王は、と言うより王の映像は、それを最後に台座から消え去った。しばらくは室内を、沈黙が支配した。レナは静かに涙を流していた。何に対してのものかは原因が多すぎて分からないが・・・。

そこに聞き慣れぬ声が響いた。

「おいおい、こんな所で何黙りこくってんだ??」

「!!」

3人は、その言葉に反応。声のきこえた方に顔を向ける。3人の後ろ、つまりは封印の扉に顔を向けた。


見るとそこには、1人の若者が立っていた。

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