プラボカの東の一大幹線道路は、アーバイン率いる第四部隊と、ドーラ率いるウォルス軍第4師団とが死闘を繰り広げていた。既に両軍大変大きな犠牲を払っている。消耗戦である。が、しかしもはや退く、と言う手段は指揮官は元より一兵卒も考えていない。どちらも他の戦線から抽出出来る限りの兵力をここに集め攻撃、あるいは防衛に当たっている。

アーバインは、兵士達の士気を鼓舞しようと、自ら最前線に身を投じ愛刀を思う存分に振るっている。

「私を倒したくば、百万の軍勢でも率いてくるがよいっ!」

襲いかかる敵を一掃し、自らの存在を誇示するかの様に言う。青を基調とした軍服に、名刀菊一文字を持ち、友軍の先頭に立ち敵を切り伏せてゆく。異名に恥じぬ戦いだ。しかし、蹂躙されて黙っているだけのウォルス軍では、ない。ドーラ直属の赤魔道騎士団が急激に前線にその姿を見せ、行く手を阻む。

「命を捨てて阻め!!」

指揮官自ら剣を持ち先陣を切り、戦いは一段と激しさを増す。

「先には行かさん!」

「調子に乗るなぁ!」

バロン兵が赤魔道騎士団の前に躍り出る。それを指揮官が罵倒し、切り伏せる。広い通りを埋め尽くさんばかりの兵士。そしてどこからともなく降り注ぐ弓矢、銃弾、魔法の数々。両軍が負けじと競って放っているのだ。猛攻を加え続けるウォルス軍。が、猛進撃を阻む者達が両脇にそびえ立つ家々の窓から現れた。銃口のみをのぞかせ、残酷なまでに正確な狙いを定める。誰かが合図をした訳でもなく一斉掃射が起こる。黒い雨がウォルス兵を打ちのめす。弾丸の雨がウォルス兵を飲み込んだ。

ある者は盾でしのぎ、またある者は路地や家に逃げ込み、またある者は為す術なく全身をうがたれ・・・。多数のウォルス兵が道に倒れ込む。生き残ったウォルス兵をバロン兵は、ここぞとばかりに攻める。家に潜む多数の狙撃手らも加わる。

「銃兵隊!応戦を!!」

ウォルス側の指揮官が言う。これに銃で応戦するウォルス軍。銃撃の応酬が、道で戦う者達の頭上で行われる。空中戦とも言うべきか?銃撃を耐え抜いた赤魔道騎士団が再び猛威を振るう。アーバイン隊を討つために。戦場を行く一本の矢の様に敵の防衛戦を突破し、ついにアーバインを眼前にした。

「総大将の首をいただくぞっ!」

「おお!」

「指揮官殿に続け!」

指揮官を先頭に暴れ回る騎士達。灼熱の炎を、凍てつく冷気を、敵を砕く雷を放ちながら。その騎士達の戦いぶりを見て消沈しかけた兵士らの士気が再び、隆起する。

「俺たちも行くぞ!」

「敵を一掃するぞっ!!」

「こ、こいつら、調子に・・・!」

「黙れ!」

ウォルス兵の一撃が確実にバロン兵を仕留めていく。つばぜり合いの末、斬り捨てられる者や武器を捨て降伏する者もいる。そして赤魔道騎士団は・・・・。

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