3月18日 午前8時21分 プラボカ
 
両軍衝突から早21分。怒号と銃声。悲鳴と剣戟が朝の静寂を砕く。主要道路4つに全力でぶつかり突破を目指すウォルス軍。これを阻止せんと、立ちはだかるバロン・カルナック連合軍。先行するウォルス兵らが銃弾と暗黒の波にうがたれ、地に伏す。盾を構え突撃するも、長槍に阻止され、その場で倒されるウォルス兵。反撃の銃撃。倒れる暗黒騎士。砕ける長槍。堅固な守りを布いているため、連合軍がやや優勢だ。それから延々と時間が過ぎ、午前9時丁度、ようやく1つの道路が、ウォルス軍によって突破された。傭兵部隊、赤魔道騎士団が編入されている部隊だった。ウォルス軍の主要部隊と言って良い。突破の報はすぐに後方に控えていた連合軍総大将、セシル・ハーヴィにもたらされた。

「セシル様、第1部隊が突破され、敵が町中に侵入しました!」

「カインが控えている!が、応援を出そう。第6中隊1200人をカイン隊へ!第1部隊と共に、敵を挟撃するんだ!」

「はっ!」

「他の戦線はどうか?」

「は、ベイガン大佐率いる第2部隊は、依然優勢のまま、もちこたえています。第3部隊のカルナック軍は、3個小隊900人を失い、やや劣勢です。第4部隊はアーバイン大佐率いる部隊が増援として到着し、盛り返しつつあります。」

アーバイン。彼はバロン軍陸兵団の将兵で、その卓越した力、そしてバロンでは珍しく刀を愛用する事から剣客将軍と詠われる名将だ。戦いの主導権は、防戦の構えを取りながらも、いまだ連合軍側にあった。が、セシルは1つ疑問を抱く。それを伝令に問う。

「ゴルベーザはどうした?」

「は、それがゴルベーザ中将の姿が見あたりません。町中に兵を放ちお探し申し上げておりますが・・・。」

「なんだと・・・・?」

増援部隊の指揮官でありながら、戦いの時に姿を消すとは・・・。あるまじき事だ。

「いかがされますか?」

「・・・これ以上の捜索は無用だ。捜索に出た兵達には第3部隊の援護をする様言ってくれ。」

「はっ!」

(しかし、ゴルベーザめ・・・。何を考えている・・・?!)

セシルはイスから腰を浮かし、副司令に声をかける。

「しばらく指揮を頼む!」

「はっ、どちらに!?」

「第1兵舎だ!」

言うと脱兎の如くかけた。
 
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